04年の俳句

ここでは今までむつきの会の会員が

句会で作った俳句を載せます。

2004年の作品です。

 

句会は互選で行います。この際、自分の作品は選ばない、というのがルールです。

作者の名前ごとに作品が並んでいます。

作品の隣にある文字はその作品を選んでくれた人の頭文字です。 

○は特選句(5句の中で一番いいと思った句)です。

 

 

 

 

04年11月14日本土寺吟行

参加者:あけみまさこまちこたかゆきさとう

 

あけみ

盛りなる紅葉映して水静か ○まち

紅葉して曇天の空華やげり た

竹林は微動だにせず冬景色 まさ、まち

 

まさこ

花よりも赤く赤くと紅葉かな ○た

子をあやす母はぼさつや紅葉映え あ

色葉散るしばらく会わぬ人もあり まち、さ

ここかしこ人たえぬなり紅葉山 さ

先行のにおいたちこめ紅葉冷 さ

 

まちこ

散歩する足音乾き秋来る ○まさ

幼子のこっちがきれい赤紅葉 ○さ、た

池に落つ落ち葉を縫って鯉ゆらり まさ、あ

 

たかゆき

常連の数名を欠き石蕗の花 さ

天空に降るるばかりの熟柿かな まち

 

さとう

冬来る井戸は封印されしまま ○あ、まさ

人の無き渡り廊下や紅葉散る た、まさ、まち

冬の空お願い地蔵は目をとじて た、あ

虫食いのままの紅葉でありにけり あ

 

 

 

 

 

04年6月6日明治神宮吟行

参加者:まさこたかゆきゆきえさとうあけみ

 

まさこ

少しずつ違いありけり白菖蒲 ○ゆ

咲ききってなお力あり花菖蒲 た

幾つもの色の点なり菖蒲園 あ

 

たかゆき

沈黙を雨音が埋め花あやめ ま、ゆ、さ

雨音に濡るるばかりや花菖蒲 さ

花菖蒲尊王攘夷のごと立てり さ

 

ゆきえ

色違え高さ違えて花菖蒲 ○さ、ま、あ

反り返る屋根の湿りや梅雨に入る ○ま、さ

外れゐしところに濃きや花菖蒲 ○た

 

さとう

まだ咲かぬ菖蒲の名前鬼が島 ○あ

花菖蒲黄なる眼を持つごとく た、あ

菖蒲田のつぼみ気高く立ちにけり ゆ、あ

 

あけみ

凛として菖蒲田の雨静かなり ま、た、ゆ

紫の色見本なり菖蒲園 た、ゆ

菖蒲咲く根元の泥は知らぬ気に ま

 

 

 

 

 

04年3月17日定例句会

場所:新宿滝沢

参加者:あけみさとうまちこ

 

あけみ

一枝の沈丁部屋を占領す ○ま

叱られて寝顔に涙春炬燵 ま

休日の午後のコーヒー白木蓮 ○さ

絶え間なく囀り交すおばさん鳥 さ

 

さとう

雪道にはまりてさらにまた一歩 ま、あ

沈丁やビルの谷間の強き風 ま

雪降るや長く立派な像の髭 ま

 

まちこ

目をつぶり焼きつけ菜の花畑かな さ

草青む炭を転がし肉の香や さ

足を止め沈丁の香をまとひけり さ、あ

春月夜大きさに歩を緩めたり あ

黒猫の横切ってゆく春の闇 ○あ

 

 

 

 

 

2004年2月15日成田ゆめ牧場苺狩り吟行

 

参加者:あけみゆきえさとうたかゆきらいなす

 

あけみ

春の田をあまねく包み夕日落つ ○ゆ、た

放たれし山羊下萌えへ一目散 ○ら、さ

馬の背の視界は広し麗かに ゆ、た、ら

歩まされ転ばされる児ら春疾風 さ、ら、ゆ

 

さとう

シーソーにひとりとふたり春疾風 ○あ、ゆ

積まれゆくへたの数だけ苺狩り ○た、ら

苺狩り手に鮮やかな赤残る あ

 

たかゆき

貝寄風に嬰児をかばう母羊 さ、ら

冬苺がき大将のごとひとつ さ、あ

 

らいなす

幼子の手に余るほどの苺かな ○さ、ゆ、た

駆けてゆく子らの背を押す黄砂かな あ、た

みつばちを笑顔で迎え苺花 あ

 

 

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