05年の俳句
ここでは今までむつきの会の会員が
句会で作った俳句を載せます。
2005年の作品です。
句会は互選で行います。この際、自分の作品は選ばない、というのがルールです。
作者の名前ごとに作品が並んでいます。
作品の隣にある文字はその作品を選んでくれた人の頭文字です。
○は特選句(5句の中で一番いいと思った句)です。
05年11月9日定例句会
参加者:まさこ、まさよし、たかゆき、らいなす、さとう、あけみ
まさこ
紙をおる音高くなり冬雲雀 ○あ、まさよし
桐一葉療養あけの笑顔あり ○まさよし
二段滝紅葉まきこみ落ちにけり ら、あ
まさよし
師の声の遠くなりゆく日向ぼこ た、さ、あ
水洟や次に次へと紙蔽ひ た
たかゆき
マフラーやまるで富士のいただきに まさこ、さ
日向ぼこ夏の役目を経たベンチ さ
さとう
願かけをするかのごとく懐炉振る まさこ、ら、あ
独り者気楽と孤独日向ぼこ まさよし、ら
らいなす
肩と肩寄り添い温め日向ぼこ ○た、まさよし
傍らの猫引き寄せて日向ぼこ まさこ
冬めくや襟元合わす人の群れ あ
あけみ
冬めくや少しかすれたジャズボーカル ○まさこ、まさよし
酉の市年に一度の客が来て ○さ、た
児も猫も手足伸ばして日向ぼこ ○ら
憂さあらば大根刻む葱刻む まさこ、た、さ、ら
05年10月12日定例句会
参加者:らいなす、ゆきえ、さとう、あけみ、まさよし、たかゆき
らいなす
敬老日ここに幸ありやしゃご抱く あ
秋刀魚焼く煙香ばし夕餉かな ま
ゆきえ
約束を交わしてゐたり草紅葉 ○ま
すれ違ふ人なき霧の杉並木 あ、さ
秋霖や東照宮の奥の院 あ、た
濃き味のミルク飲み干し秋日和 ま
さとう
満月や明かりつく家つかぬ家 あ、ゆ
満月や1キロ先のまちあかり ゆ
秋めくやわたしひとりが半袖で ら
あけみ
きらきらと秋刀魚一匹九十円 ○ゆ、○さ
芒原風が生まれて静まって ま、ゆ、さ
木犀のにわかに香る朝の雨 ゆ、ら
むき出しの腕の白さやそぞろ寒 た
草紅葉紫の子犬にかがれゐる た
まさよし
栗飯や満ち欠けし月似たりけり ○た、ら
足跡や深く刻みし秋の浜 さ
煌めくやおひつにひとつ栗の飯 た
たかゆき
秋の浜自分の色を探しけり ○あ
背広着る列に潜りし昼秋刀魚 ○ま
栗飯や母の笑顔も去来せり ま
箸あたる確かな手応え栗飯や さ、ら
05年8月10日 定例句会
参加者:たかゆき、さとう、らいなす、あけみ
たかゆき
盆礼や上司の元に京冷菓 ○さ、ら
流れ星愛射止めるは難きこと ら
アイディアの数では負けぬ西瓜種 さ
新蕎麦やしゃがれた老婆傍にいて あ
さとう
自転車の揺れる灯火や夏休み た、あ
Tシャツと浴衣着ている二人かな あ
夏の夜の女が二人歩くなり た
らいなす
美しき航跡残し流星群 ○た、あ
恋う人と手つなぎ歩く夕涼み ○あ
闇焦がす打上花火儚けり あ
あけみ
カラコロと日傘の過ぎる石畳 ○ら
ビルの森狭き空から蝉時雨 た、さ、ま
星月夜みんな元気と報告す た、さ、ま
05年7月13日定例句会
参加者:あけみ、まさよし、たかゆき、さとう、らいなす
あけみ
遠く聞く祭囃子やビルの街 ○さ、○ら、ま
かたつむり傷の数だけ厚き殻 さ、た
あんみつを男二人で黙し食う さ
まさよし
浴衣着てのそく透き間の白い肌 ○た、ら
夏祭白き項の美しき た
ひと夏の想ひ消えゆくソーダ水 あ、さ
軽鳧の子や波に揺られし右左 ら
かたつむり長閑し時の長きかな ら
たかゆき
30を越えて愛とは蝸牛 ○あ、○ま、さ
さとう
でいご咲く幼き子らのあっかんべー あ
夏祭り同級生みな結婚す あ、ま、ら
夏嵐サッカーゴールにネットなし た
らいなす
頂上で喉潤して夏の水 ま
父の日や在りし日偲び独り泣き ま
祭り来る下駄つっかけて走りだす あ
祭り来るいなせな若衆揃い踏み た
05年6月8日定例句会
参加者:あけみ、まさこ、ゆきえ、さとう
兼題 鮎、麦の秋、十薬
あけみ
蔦茂る追い詰められし壁の白 ○ま
万緑に透けて朱塗りの社かな ゆ、さ
紫陽花とともに濡れつつ読経聞く ま
まさこ
いくつもの足跡蛙鳴く家路 ○さ
初浴衣自然と背筋伸びにけり あ、ゆ
結いあげた髪の後ろ毛かき氷 あ、ゆ
麦の秋先おれ子猫の尾がゆれる ゆ
ゆきえ
湧き水の深きに落ちて新樹光 ○あ、ま、さ
ポストから雨粒落ちて花うつぎ ま、さ
麦秋や山の匂ひの風渡る あ
万緑や玉の如きの子を持てり さ
さとう
十薬は集う女のごとくなり ○ゆ、ま
燃え尽きぬ火種のようにツツジ散る あ