02年の俳句
ここでは今までむつきの会の会員が
吟行で作った俳句を載せます。
2002年の作品です。
句会は互選で行います。この際、自分の作品は選ばない、というのがルールです。
作者の名前ごとに作品が並んでいます。
作品の隣にある文字はその作品を選んでくれた人の頭文字です。
○は特選句(5句の中で一番いいと思った句)です。
02年12月14日定例句会
参加者:あけみ、けんじ、たかゆき、さとう、らいなす
あけみ
学舎(まなびや)の街にビル立つ冬の空 ○た、○さ、ら
年惜しむ月日は人を変えてゆく ○け、さ
今年こそ会おうと言いつ年の暮 さ、ら
手を握るごとく縮まる散紅葉 た、さ、ら
冬景色足早に去る人ばかり け
けんじ
こだましてまた一人なり冬景色 ○あ
冬雁の消えて御空の広さかな ら
会ふはひとつ別れそれぞれ大根煮る あ、た
犬声の暮色にしずむ夕景色 た
たかゆき
紙袋華やかなりし冬景色 ○ら、け
生死さえ越えてゆくのか冬の雁 け
お店にも温かな声年惜しむ け、さ
さとう
はやりつつ懐炉の袋切りにけり た
らいなす
暮れなずむ夕日冴えゆく冬景色 あ
澄み渡る茜の空に冬の雁 あ
やり残し数えては年惜しみをり あ
02年11月14日定例句会
参加者 あけみ、たかゆき、まちこ、ゆきえ
まさこ(選句のみ)
あけみ
一の酉小雨も人も絶え間なく まち、○ゆ
木の実踏む音は乾いて基地の空 た まち
牡蠣飯や安芸の宮古島潮満ちて た まち
立読みの古書店街に片時雨 まさ ゆ
たかゆき
離れゆく枯葉の円心大樹あり まち ゆ あ
冬薔薇なにか大事に青さ抱く まさ ゆ
まちこ
残る牡蠣つるりと食べて我勝利 ○まさ
秋気澄む水鳥の影薄くなり ゆ あ
参道に道なり並ぶ紅葉かな まさ
牡蠣の数ピタリ半分二人鍋 た
長き夜ムスク一滴垂らしをり た
ゆきえ
大ぶりの牡蠣ごつごつと魚市場 ○まち ○あ
秋晴るる飛行機雲の六十度 ○た まさ あ
蔦紅葉して球場の日暮かな あ
02年9月29日高麗、巾着田吟行
参加者 あけみ、たかゆき、まちこ、まさこ、ゆきえ、けんじ
あけみ
絶え間なく水車は回る野路の秋 まさ・ゆ
コスモスの野を歩く人みな笑顔 ○まさ
高麗の空山の向こうも鰯雲 まさ
木々の間を埋めてゆく赤曼珠沙華 ○まち
馬肥ゆる鼻息荒く草は食んで まち
たかゆき
触れたれば蘂柔らかき曼珠沙華 ゆ・まち(棘→蘂へ変更)
馬の目に人人人と曼珠沙華 け
まちこ
曼珠沙華赤の派閥が群れなして あ
かわせみや川に飛び込み光散る あ・ゆ
まさこ
コスモスや連山せまる田んぼ道 まち・た
鰯雲尾をふりあげしばん馬かな あ
秋彼岸それぞれ違う山の色 け
団子食う羅漢3つや曼珠沙華 け
ゆきえ
曼珠沙華雲割る光降りにけり け・た・まさ
曼珠沙華群生なして力あり ○け
秋日濃し頬のほてりも心地良き まさ
けんじ
大群の人を見てゐる曼珠沙華 ○た、まち
曼珠沙華万本咲いて色ひとつ ○あ、た
睦みあひしべ蘂からみあひ曼珠沙華 ○ゆ、た
せせらぎのと鋭き畦行くや蕎麦の花 あ
馬の腹深くえぐれて秋気満つ ゆ